2013年5月30日木曜日

メタモルフォーゼ ~次なる脱皮へ~

皆様 お久しぶりです。
大学院の卒業が間近に迫り、今の心境を綴ろうと思います。
お世話になった皆様にも、この場で感謝しつつ・・・。

このブレーメンでの2年間、あっと言う間のようで内容はぎっしり詰まったものでした。
最初は、合格はしたものの、学席が大学側の手違いで、なかなかもらえず、
ザルツブルグの大学を受験し、そちらで学生を続けていましたが、
ブレーメンの大学の席がもらえたので、ブレーメンに引っ越すことになりました。

でも、このようなきっかけがあったからこそ、Vittorio Ghielmi、Hille Perl の両方から
指導を受けることができました。この二人から得たものは
今まで以上に大きなものでした。二人は両極端な音楽家ですが、
私に欠けていたものを補うことができた、どうしても、越えていかなければ
ならなかった、出会うべくして出会った先生だったのだと、思います。

初めの一年は、コンクールのことだけを考え、必死で取り組みました。
この年になっても、まだ学生をしている自分へのみじめさや、大学を卒業してから
味わった、自分への空虚さ。今まで自分は成長できなかった。
何も手にいれてこなかったような気がして、焦りを感じました。
コンクールは、私にとって、文字通り 自分への挑戦。自分の戦いでした。
自分への自信を持つこと。それが最大なテーマでした。


結果的に、賞を頂いたものの、
結局、それは自分しか見えていなかっただけなのかもしれません。
コンクールを終え、卒業試験の準備をしつつ、完全帰国しようか、
自分の中で決着がつかず、迷っていた頃、
自分ではっきりとわかったことがありました。
自分が今まで、感動してやまなかったもの、
これからも一緒に演奏していきたい仲間、
そして、これから学んでいきたいこと。
私の目の前に、現れたひとつの形。
それは、卒業後も、ドイツに残りたいという気持ちでした。

音楽は、愛という形にメタモルフォーゼして、その続く道に歩めるように導き、
そして、自分の足で立てるように、一歩ずつアヒルの歩みのように
進んでいこうと思います。
どこにいようが、音楽とともにいる限り、私は天と地を繋ぐ、スピリチュアルな
世界とつながり、また、世界中のどんな人とも心通じ合うことのできる
素晴らしい瞬間を、味わうことができることを、何よりも感謝しています。