2012年11月7日水曜日

ド根性ガエル空を飛ぶ


今回、バッハ・アーベル国際ビオラダガンバコンクールで賞を頂きました。
独渡してかれこれ、10年経ち やっと芽が出たという感じでしょうか。

ドイツに来たばかりの私は、右も左もわからず、戸惑うばかりで
いろんな方に助けて頂きました。教会関係の方はもちろん、特に日本人の方には
本当にお世話になり、何も恩返しができないままで申し訳ない思いです。

特に今回のコンクールで嬉しかったのは、審査員のパオロ・パンドルフォさんに、
”君は前回のコンクールよりも大きく成長した。しかもとても勇気がある演奏だった。
僕は君を誇りに思う。君のことは、一番最初から知ってるから!”
という言葉でした。
私は彼の前で泣きました。彼もうっすら涙を浮かべていました。
パオロとは、ガンバを始めて半年後に海外に飛び込んだ頃から知り合い、
私の成長を見届けてくれました。

3年前、バッハ・アーベルコンクールを受けて、惜しくもファイナル落ちしたとき、
彼の言葉は、誰の審査員の言葉よりも印象的に残ってます。
”君の演奏は、君から出てきていない”

私はこの3年間で、この意味を自分なりに探ってきました。
自分は人の真似であってはならない。自分の演奏とは何か。そして
ガンバ弾きである前に、日本人として、この楽器を弾く意味は何だろうか。と。

そして、一番自分がコンプレックスとしていた、
自分自身に自信を持つこと。
自分にとって今回のコンクールは、まさに自分との戦いでした。

でも、今回学んだのは
いかに自分を出すのではなく、”いかに音楽に委ねるか”という
ことでした。
まるで水の中で泳ぐ魚のように・・・。

このコンクールを終えて、私は新たにスタートを切った気持ちでいます。
ヒレ・パール先生や、ビットリオ・ギエルミ先生との出会いを通して、
これからも、続けて前に進んでいこうと思っています。

これからも応援よろしくお願いいたします!

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