今年もWittenbergの講習会がやってまいりました。
今回は、レベッカ・シュツワートと、マルティン・エアハルトによるヨハン・ヴァルターの講習会に
声楽で参加しました。これまで器楽で参加してきたので、声楽は初めての参加になりました。
レベッカとは、10年来の知り合いで、私の中では、彼女は”歌の神様的な存在”であります。
彼女はもう70歳ですが、誰よりもパワフルに活動している方です。
レベッカは、若い時に、日本やインドで音楽を学んだ後、ヨーロッパで中世・ルネッサンス音楽
を主に、古楽を宇宙的、神秘的な視点から見た音楽家と言っても過言ではないでしょう。
彼女は、現代人の失った言葉を探しに行ったアルケミストなのかもしれません。
私たちは、彼女の声に耳をすませ、またその音楽の調べを蘇らせることを望んでいます。
そこには、もう音楽という形を超え、祈りとなっていくのです。
しかし、その神技を本当に知る者は、少ない。
音とは、Klang(響き)ではなく、その振動にある。
その振動は、自然に湧きあがるまで待つ必要があり、
その音楽は、自然に歌いだすのを感じとる必要があり、
すべての五感によって、その振動を感じ取り、その交わりを楽しむことができる。
それらの振動は、”言霊”によってすべては上へと昇華する。
ルターがWittenberugで活動していた時、ヨハンヴァルターは、教会の音楽カントアーを勤め、
作曲もしていた。ルターにとっても、音楽は宗教にとって不可欠であったように、
ヴァルターの作曲した曲も、ルターの力強い信仰による言葉を受け継いでいて、
音楽よりも、祈りに、または、心の叫びに近いものを感じ取ることができます。
ルターが宗教改革を起こしたこの地で、そして、その教会で、しかも、ルターのお墓の横で
その演奏ができたことを、感動、そして感謝。
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