2013年8月23日金曜日

スウェーデン10日間 自転車の旅

先週スウェーデンに行ってきました。
10代の頃通った教会の、スウェーデンの宣教師のハンセン先生の思い出や、
18の時にハンセン先生にスウェーデンで洗礼を受けた時の思い出がよみがえりました。
今から思えば、あの頃から、私の留学のきっかけとなるすべての出会いが始まったのだと思います。
私たちはドイツの北Sassnitzから船にのって、Trelleborgに行きました。
そこから自転車で、Lund- Gardstanga- perstorp- oerkelljunga- Halmstadt-Varberg-Asa- Valla- Kungsbacka-Goeteborg
約500kmの道を自転車で走り、GoeteborgからKiellまで船で帰ってきました。

Sassnitzからフェリーに乗ってTrelleborgに行きます。

海を渡って・・・

さて、自転車の旅出発です。

各地で小さなチャペルに出会いました。ここで朝食。

最初の町Lundに到着。とても古いロマネスクの教会でした。

天文時計

柱の動物たち。奇妙な形をしています。

スウェーデンの独特な文化

ろうそく台の天使

光と影

中央、天狗のような方が・・?

水車

Halmstadt

車の通りがスウェーデンはほとんどありませんでした。
ゆく道はほとんど田舎の町。
山あり谷ありの森を何度も走り抜けました。

スウェーデンの昔ながらの建物。今でも赤い家が多いです。
緑色の草木にとてもなじんでいます。

家の建築によく見られる丸い岩。馬車などに使われた物なのでしょうか。

朝食はいつも、パンとチーズなどを買ってたべました。
ここのパンが特別おいしかった。でも、スウェーデンは、ドイツに比べて
パンの値段が高いです。

この教会でカメラを置き忘れてしまいました。
でも、ちゃんと教会の方に連絡したら、届けてくださいました。
感謝。

なので、私の写真はここでおしまい。


写真には出てきませんでしたが、旅は、素敵なことばかりではありませんでした。
何しろ、自転車の旅は私にとって初めてのことで、自転車自体、何年も乗ってない状況だったので
一日50kmは、私にとって限りなく極限に近い可能性でありました。

まるでこんなかんじ。
ですが、人間やってみるものです。こんな運動神経0の私にもできたのですから。

この日の為に何度か練習しました。ケーテンまでハレから自転車で走ったり。
寝袋も、もっていなかったので購入しました。
なかなか、キャンプで寝るというのは至難の業です。

何しろ、ベットで寝るという行為とはかけ離れたことですから。
まず、第一に、土の上で寝るということに近く、必ずしも、平らではないということ。
そして、雨の音やしずくが、近に感じること。鳥の声や、風の音、虫もたくさんやってきます。

虫ということで、ひとつ。
森には、Zeckeというダニの一種がおり、こいつが何しろ曲者でした。
私は、人生初めてZeckeにやられました。幸いなことに、何も起こりませんでした。
無事に帰還できました。

スウェーデンは、車の数が少なく、とても静かで森の豊かなところです。
自転車の観光客も多く、中には小さな子供の家族づれもいました。
夜も、日が長く22時過ぎまで明るく、天候も平均30度くらいの涼しい日が続きました。
キャンプも、キャンプ場だけでなく、プライベートや、自然保護地意外の場所ならどこでも許可されていたり、誰でも自然に親しむことができるようになっていました。

10日間の自転車は、やはり大変なものでした。
スウェーデンは、それほど高い山は無いものの、いつも山あり谷ありの坂道が多かったです。
でも、湖が美しく、泳げる地域では、とても綺麗な水で泳ぐことができます。

今回学んだことは、日常の当たり前のことが、とてもありがたく思えたこと。
もちろん、ホテル泊まりの普通の旅と違って、多くの冒険がありました。
そして、自然という存在に、圧倒され、あるいは恐れを抱き、ただ美しいだけの
、人間が作った自然に、いかに飼いならされてきたかがわかりました。

それでも、海のそばにキャンプして、夕日の美しかったことったら!
海の波の音しか聞こえない静けさは、一生忘れられない思い出となりました。



2013年7月19日金曜日

魔女修行 その2

休みの間に、化粧水、クリーム、シャンプーとヘアーリンスを作ってみました。

左から薔薇のポプリ、ラベンダーウォーター、ローズウォーター、ラベンダークリーム。
作り方

1.ローズウォーター (化粧水)
薔薇の花 1カップに対し、ウォッカ1/4カップを加え、暗いところに一週間ほど置く。
その後は、色の濃いビンに漉して使う。

2.ラベンダーウォーター
ラベンダー(生、または乾燥) 2カップに対し、沸騰させた蒸留水600mlを入れる。ウォッカ60mlとラベンダーのエッセンシャルオイルを数滴入れ、日当たりのよいところで1週間ほど置く。

3.ラベンダークリーム
市販のベビー用などの保存料の使用されていないお肌のクリーム(100ml)に、ラベンダーウォーターを大さじ1入れ、ラベンダーのエッセンシャルオイル数滴を加える。

4.ローズマリーのシャンプー
ローズマリー(6枝)と干し昆布(1枚)を水(3カップ)に入れ、20分ほど煎液を作る。それを漉して、粉末石鹸(または、細かくした石鹸)大さじ4入れ、仕上げに、ローズマリーエッセンシャルオイルを入れる。

5.ヘアーリンス
乾燥した髪用
セージ、パセリを10分ほど煎じ、冷えたら漉して、ビンに入れる。
薄めずそのまま洗面器に入れ、髪にかけ、そのまま洗いながさずに乾かす。

薔薇の花をウォッカに浸したところ。

薔薇の化粧水だけでなく、薔薇の花をウォッカと砂糖に浸すだけで、おいしいお酒もできます。
薔薇は、どんなお肌にも適していて、薫りもよく、老化を防ぐといわれてます。


 そして・・酵母に挑戦!

酵母の作り方もとても簡単。果物、野菜を沸騰した水を冷ましたものに入れ、砂糖を加えるだけ。
その後は、水を加え、少し振りつつ様子見。
多分、この後泡が出てきて発酵開始するはず・・・・。続く?
今日から、酵母を作ってみます!♪



2013年7月16日火曜日

Buxheimer Orgelbuch , Lochamer Liederbuch講習会

先週は、Buxheimer Orgelbuch, Lochamer Liederbuchの講習会がHalleで行われた。
レベッカ・シュツワートの弟子、Martin Erhardtと、Milo MachoverによるCantus modaliswoche
今回で5回目だそうだ。私は今回2回目の参加で、ドイツの15世紀の音楽には
大変興味があったので,とても楽しみにしていた。





Buxheimer-Orgelbuchのオリジナル譜は、とても特殊で、TenorとContratenorが、アルファベットで
書かれている。Discantusの旋律は、Cーschluesselで書かれており、5線譜ならぬ、7線譜(!)で書かれている。音符の読み方も、少し特殊なので慣れるまでに時間がかかる。
トリルは、音符の下に向かって線が引かれていて、(4をさかさまに書いたような形)
トリルの入れ方も、主音を保音させたまま、ひとつ下の音を連打させる特殊な形。
#やbは、Discantusは、音符に下線があり、TenorとContratenorの場合、ff=fis, cf=cis
といった書き方がされている。
Buxheimer orgelbuch "Der Winter will hin weichen"

また、私たちが今回メインとなったのは、Buxや、LochのTenorを基に、即興をする、といったことだ。簡単に説明をすると、Tenorに対して、Discantusは、6度のパラレル。
Contratenorは、Tenorに対して、3度、5度・・・(または5度3度。曲によって、どちらが和声に合うか試す)の繰り返し。
Discantusは、6度の進行を基に、メロディーを作曲する。
(この方法は、あらゆる時代の曲の即興にも使える)

D  666666
T
C  353535(または 535353)

即興にあたり、注意したいのは、16世紀のDiminutionと混合しやすいことで、それらの違いはBuxheimerには、3度の飛躍がみられることや、また、符点音符の使用も、よく見られる。
とにかく、buxheimerの曲に多く親しみ、その時代に没頭しなければ、即興は難しいと思った。

Contratenorが、3度の場合は、フォーブルドン、Fauxbourdon(偽りの低音)といって、
ブルゴーニュ楽派の作曲家たちによって中世後期から
ルネッサンス初期にかけて用いられた和声法。

Buxheimer orgelbuch(1460-1470年)
オリジナル譜と、編曲合わせて、256曲収められている。
作曲家の大半は、名無しだが、ジョン・ダイイスタブル、ギョーム・デュファイ、ジル・バンショワ、ウォルター・フライ、コンラート・パウマン。バウムガルトナーなどの曲が収められている。

オルガンで弾くケースが多いが、当時は、ポルタティーフや、リコーダ―で上声部を弾き、下声部はフィドルや、リュート、または、テノールを歌うこともできる。
そういった、アンサンブルとしての良さもあるが、ポルタティーフは、オルガンを超えた、
器楽ではなく、吹楽器としての、微妙な音のニュアンスは、音色といった魅力が伺える。


Lochamer Liederbuch

楽譜
http://imslp.org/wiki/Lochamer-Liederbuch_(Paumann,_Conrad)

Lochamer Liederbuchは、93ページにわたる、50曲ほどの3声でかかれた
コンラート・パウマンらによって作曲された曲である。
ここには、歌詞がかかれており、ドイツ語というよりも、オーストリア訛りといった感じの
言葉がそのままの形で残されている。Ein Vrouleen edel von naturenは、ドイツ語というよりは、
オランダ語訛りが強い。
それぞれ、世俗曲特有の、恋の歌は、ユーモラスなメロディーや歌詞のものも多く、
コメディーや、喜劇的なものが多い。

たとえば、"Mir ist mein pferd vernagellt gar"(Loch28, p.28)は
ある馬の話で、主人が馬のひづめを、間違えて取り付けた為、馬の脚は
悪くなる一方。主人は原因がわからなかったため、馬を新しい、雌馬と交換する。
そこで、その雌馬との恋が始まる・・・というようなお話。

その他にも"All mein gedencken dy ich hab"(Loch10 p、10)や、
"Der Wallt hat sich entlawbet"(Loch 16, p.16/17)は、男女の恋の駆け引きなどが
美しく綴られている。







2013年5月30日木曜日

メタモルフォーゼ ~次なる脱皮へ~

皆様 お久しぶりです。
大学院の卒業が間近に迫り、今の心境を綴ろうと思います。
お世話になった皆様にも、この場で感謝しつつ・・・。

このブレーメンでの2年間、あっと言う間のようで内容はぎっしり詰まったものでした。
最初は、合格はしたものの、学席が大学側の手違いで、なかなかもらえず、
ザルツブルグの大学を受験し、そちらで学生を続けていましたが、
ブレーメンの大学の席がもらえたので、ブレーメンに引っ越すことになりました。

でも、このようなきっかけがあったからこそ、Vittorio Ghielmi、Hille Perl の両方から
指導を受けることができました。この二人から得たものは
今まで以上に大きなものでした。二人は両極端な音楽家ですが、
私に欠けていたものを補うことができた、どうしても、越えていかなければ
ならなかった、出会うべくして出会った先生だったのだと、思います。

初めの一年は、コンクールのことだけを考え、必死で取り組みました。
この年になっても、まだ学生をしている自分へのみじめさや、大学を卒業してから
味わった、自分への空虚さ。今まで自分は成長できなかった。
何も手にいれてこなかったような気がして、焦りを感じました。
コンクールは、私にとって、文字通り 自分への挑戦。自分の戦いでした。
自分への自信を持つこと。それが最大なテーマでした。


結果的に、賞を頂いたものの、
結局、それは自分しか見えていなかっただけなのかもしれません。
コンクールを終え、卒業試験の準備をしつつ、完全帰国しようか、
自分の中で決着がつかず、迷っていた頃、
自分ではっきりとわかったことがありました。
自分が今まで、感動してやまなかったもの、
これからも一緒に演奏していきたい仲間、
そして、これから学んでいきたいこと。
私の目の前に、現れたひとつの形。
それは、卒業後も、ドイツに残りたいという気持ちでした。

音楽は、愛という形にメタモルフォーゼして、その続く道に歩めるように導き、
そして、自分の足で立てるように、一歩ずつアヒルの歩みのように
進んでいこうと思います。
どこにいようが、音楽とともにいる限り、私は天と地を繋ぐ、スピリチュアルな
世界とつながり、また、世界中のどんな人とも心通じ合うことのできる
素晴らしい瞬間を、味わうことができることを、何よりも感謝しています。




2013年4月23日火曜日

ルネッサンスダンス

先週末、ドイツのハレでルネッサンスダンスの講習会に参加しました。
音楽のクラスと、ダンスのクラスに分かれ、1日だけだったが盛り沢山のプログラム!
朝10時に、続々と教会の施設に集まりそれぞれのコースに分かれ、練習します。


 私は今回は、音楽に専念し、ダンスは少しだけ踊りました。
主に、ルネッサンスのダンスといえば、パヴァ―ヌ、ガリヤルド、ジーグなど。
曲はすべて、即興演奏も試みるといった、豪華なバリエーションに富むものでした。



 中でも、面白かったのは、パントマイムの披露。
ちょっとした、短い劇は、見事でした。
内容は、ある貴婦人に、貧しい男性が恋をする話。なんとか彼女を振り向かせようと、
ダンスを勉強します。そして、一緒にデートをし、ハッピーエンド。

 ダンスの合間には、豪勢な食事が。
しかも、シェフによるルネッサンス様式のお食事。
教会には、オーブンがなかったため、ちょっとしたアクシデントもあったそうです。
でも、とってもおいしかった。ローズマリーなど、ハーブがたくさん料理には使われていました。

今回、この講習会で、思いがけない出会いがありました。
それは、食事の写真の真ん中に写っているおばあさん。

彼女は現在82歳のウルズラおばあさん。とってもパワフルなお方です。
その彼女は、実は、77歳のころからあるとっておきなことを始めたそうです。

それは・・・ こどものための、朗読会。
自分のお庭に、小さな小屋を幾つも建てて、小さな子どもたちを集めて、
お話しを聴かせる、といったものです。
もちろん、あかずきんちゃんの衣装や、白雪姫の衣装も、自分たちで作って。
この日の彼女のドレスも、手作りだそうです。

彼女曰く、「最近の子供たちは、コンピューターや、ゲーム、テレビなど、
あらゆる機械的なものに支配されて、想像力が乏しくなってきているのよ。
それだけじゃなくて、子供の両親たちも、子供たちと一緒にいる時間は短くなっているわ。
子供たちは、お金じゃない、親からの愛情が必要なのよ!」と、私に力説していました。

彼女は以前から、朗読だけではなく、ルネッサンスダンスや、ルネッサンス音楽も、
一緒に取り入れて、子供たちの感性を育てる努力をしてきました。
子供たちのための朗読者を育てるアカデミーまで設立するほどの頑張り。

私は、この日、私がこれからするべき何かが見えた気がしました。
子供たちのために、ウルズラさんのようなことが、これから自分でもできたらいいのに。
と、思いました。


2013年4月10日水曜日

ヨハネ受難曲とWolfgangさん

                                          wolfgangさん
                                                Aubazine(フランス)


                  泊ったホテル
                         
                        パリ公演のチラシ!


                       ノートルダム



ヨハネ受難曲の演奏会で、去年と今年、ブレーメン、フランスのAubazineとパリで演奏をした時の指揮者のWolfgang Helbichさんが70歳の年で亡くなった。 
彼はberlinの指揮者、ブレーメンのDomchorの指揮者、そして、Rathschorの指揮者として、長年にわたり勤めてきた有名な方だった。 
http://de.wikipedia.org/wiki/Wolfgang_Helbich_(Kirchenmusiker) 

4月8日は、ちょうど彼の誕生日だった。 
あまりにも、急なことだったので、言葉にならないほど驚いた。 
きっと何人もの人が彼の死を悲しんだことだろう。 

つい先月、私は、Wolfgangさんの指揮でバッハのヨハネ受難曲を弾いたばかりだった。 
彼は、特にバッハをこよなく愛していて、本番中、コラールでは涙を流していた。 
適切で細やかな指導は、これまで受難曲を弾いた中でも一番素晴らしく、 
今年も一緒に演奏ができることが、とても楽しみだった。 

ヨハネ受難曲には、ガンバとアルトの” Es ist vollbracht ”成し遂げられた のアリアがある。 

Nr.30 Arie - Alt 第 30 曲 アリア (アルト) 
Es ist vollbracht ! 成し遂げられた! 
O Trost vor die gekrankten Seelen ! 病める魂に慰めあれ! 
Die Trauernacht 悲しみの夜は、 
Last nun die letzten Stunde zählen. まもなく終わろうとしている。 
Der Held aus Juda siegt mit Macht ユダの国より出た勇士は堂々たる勝利を治め、 
Und schliest den Kampf. 戦いを終えられた。 
Es ist vollbracht ! 成し遂げられた! 

この曲は、何度弾いても、なかなか気持ちが込められずにいて、 
難しい曲だった。でも、今回、彼の指導を受けて、自分なりに初めてうまく弾けたと思った。 

彼は最後、私に 「君は本当に素晴らしいガンバ弾きだ。演奏も的確で、ヒレパールも、 
さぞ、君を誇りに思うだろう。」とおっしゃった。 

そして、彼は何よりも、「沈黙」を大事にしていた。 
音と音の間にも、とても気を遣っているのがわかった。 
沈黙ほど、語るものは無い。ということも、教えてくれた。 

特に、ヨハネ受難曲の最後のコラールは、私にとってこれから忘れられない曲となるだろう。 
なぜなら、彼が、何度も演奏会中に涙を流していたから。 
きっと彼は天に召され、安らかに眠ることだろう。 

Nr.39 Chor 第 39 曲 合唱 
Ruht wohl, ihr heiligen Gebeine, 安らかに眠ってください、聖なる骸よ、 
Die ich nun weiter nicht beweine, わたしはもはや、嘆き悲しむことをいたしません。 
Ruht wohl und bringt auch mich zur Ruh! 安らかに眠り、わたしをも安息に導いて下さい! 
Das Grab, so euch bestimmet ist あなたのために定められこのお墓は、 
Und ferner keine Not umschließt, もはやいかなる苦しみにも襲われることはありません。 
Macht mir den Himmel auf それは天国の扉を開き 
und schließt die Hölle zu. 地獄への道を閉ざすのです。 

2013年4月6日土曜日

無題


私の周りでは、ものすごいことが起きている。
竜巻か台風のようなもので、風が大きく流れてくる。
自分でもよくわからないけれど、今まで自分が理想化してきたことが、
今まさに目の前で現実のものになろうとしている。

それは、音楽という枠を超えて、むしろ愛という形となって大きな変容を遂げようとしている。
でも、それは完全な姿というわけではなく、天界の音楽の前味に過ぎないのであろう。
しかも、このものすごいことは、すでに前から起き始めている。

音楽というひとつの象徴は、深い内側から眠りを覚まし、
もはやそのヴァイブレーションは、調和として宇宙と語るだろう。
しかし、私はただ、それを、この手につかみ取ろうとしてきた。
それは、向こうの方から、私を包み込み、やってくるものだったのだ。
愚かにも、人間はその至福にありながら、それを聴こうともしてこなかった。
ただ、私たちは歩みを止めてはならない。
いつも主を見上げて、へりくだっていなければ。


美の根源はどこから来るのか。
星の光のように、死と生の狭間を生きて
何も語らぬ石に耳を澄ますと聴こえる川のせせらぎの様に
風にただ漂う木の葉と身を任せる鳥の羽
ただ何事も無かったかのようにして息を潜め
鼓動のごとくすべては動いているのだ
声にならない悲痛な叫びも苛立ちも
混沌に飲み込まれるのを待つ
すべてがひとつになる瞬間を
静寂は語り始める