2013年9月18日水曜日

メルヒェン フェスティバル

雄牛頭という小さな山のてっぺんに、ウルズラおばあさんという70歳にもなるパワフルなおばあさんがおったそうな。
そこでは、毎年、昔話を語る語りべたちが集まって、子供たちのために、お話しをするそうな。
白いおうちの大きなお庭に、4つのテントを張って、そこには小さな椅子が並べられ、
魔女の姿に着飾った語りべたちが、龍についての物語を話し始めた・・・。




もうひとつのテントには、ハープを持った語りべが子供たちに優しく語りかけ、
ハープとドラゴンの昔話しを話したそうな。

 ドラゴンたちは、庭からひょっこり頭だけをだして、そのぎょろりとした目を光らせ、
長い舌で今にも噛みつこうとしているんじゃ。


この大きな口を開ければ、みんなおびえて逃げだすじゃろう?


家の中からも煙を吐きながら飛び出してきたドラゴン。
首を左右に動かしながら、その燃えるような目でにらみつける!


 ドラゴンの子供と、騎士たち。さあ、ドラゴンの子をやっつけろ!


小さな二人のお姫様を助けるために・・・


ここにいるのが、ウルズラおばあさん。
白髪がドレスとぴったり。とてもエレガントで、時には厳しく、時には優しく。
素敵な方でした。


ウルズラさんが、このメルヒェンのお祭りを始めたきっかけとなったのは、
或る時、子供が、テレビゲームで、平気な顔で、人々を殺すことができることを観た時、
目を疑ったそうです。それを許可する親からは、”みんな子どもたちはゲームで遊んでいるから”という返事に、唖然としたそうです。

子供には、ファンタジーが必要です。
昔話しには、善悪の区別をつける教育ができると、彼女は言います。
でも、テレビゲームは、悪を正しいとする間違った教育だと言います。

私たちに失われつつある昔話。
彼女たち語りべは、小さな力。
でも、水の中に落ちる水滴でも
大きな輪ができるように、
これからの子供たちに何かしらの影響があることを祈るばかりです。

おしまい