2016年2月25日木曜日

母となって

11月6日、娘の絆愛(はんな)が、私たちの家族の一員として加わった。

妊娠も出産も、自分の中で思っていた以上に大事件だった。
一つの命が、自分のお腹で、うごめいている時は、なんとも言えない感動を覚え、
これから産まれてくる子が、とてつもなく愛おしく感じた。

そして、出産した後、初めて外に出た時、
世界がすべて違って見えた。
空気も、木も、空も、人も、建物も。

自分の中の大事件が終わって、
まだ、この世が続いていて、自分が生きていることが不思議だった。
自分が産まれ変わったような気持ちだった。

そして、今 絆愛は、3か月。もうすぐ4カ月になる。
毎日、寝て起きるたびに、大きくなっていって、驚かされる。
初めはどうして、泣いてるのかわからなかったりして、大変だったけれど。
今でも、大変なことは多いけれど、夫婦二人でなんとか助けあっている。

母親になることは、こんなに大変なんだ、と初めて分かった。
でも、子供の成長を見るのが、こんなに嬉しいことも初めて知った。

主人は、二人で乗り越えるのが大変な時はいつも、
「絆愛は、僕たちの先生。忍耐を学ばされているんだよ。」
と、話した。


初めて演奏会の為の練習に、絆愛を、親戚に預けた時、
心が張り裂けそうな気持ちで、不安だった。

絆愛が、泣いているんじゃないかと、私も泣きそうになった。
娘の顔を見た時、私は動揺を隠せず、抱きしめて
二度と離れたくないと思った。
もう音楽もやめてしまいたく何度もなった。

でも、娘は、私個人だけのものではない。
彼女の人生があって、成長していくものなのだ。

小さい頃、私の母も、音楽家で働きに出ていた。
その時は、孤独で寂しい思いをしたけれど、
今、自分が同じことになって、少しずつわかってきた。
私は、母が今でも音楽を続けていて、
生き生きと若々しく、輝かしくいてくれることに感謝している。

でも、絆愛が、私を母として愛し求めるときには
心から愛して、その思いを受け止めてあげられるようになりたい。







私の中の一つの宇宙
小さい命が宿って
その幾億年もの記憶を辿って
私に会いたがっている。
ただ、その愛のために
待ちわびた、その光の中を。
この世のあらゆるものを
全身で体験しようとしている。
大いなる力は、すべてのものを
その地球の引力によって
内なる世界から、
産まれてくる。
すべての命はつながっていて
それはまた、円を描いて
一周してから
また元にもどってくる。