2014年6月17日火曜日

ジョルディ・サバール、うちに来る

なんという、幸運!サバールは、私の2mm前にいらっしゃる!

先週の週末、ヘンデルフェスティバルの為、ハレにいらっしゃっていたついでに、
ホーム?講習会を、という話しになったのは、ワイマールのガンバの教授、Imke David先生の
提案だった。

金曜の昼ごろからのサバールのプロ―ベを聴講した。
プログラムは、シャイト、シャルパンティエ、ローゼンミュラー、そしてヘンデルという
色彩豊かで、豪華なプログラム。彼の指揮するエスぺリオンXXIには、
かつて学んだ私の師匠、ロレンツの姿もあった。
サバールの横にならんだ師匠をみて、サバールにも劣らない演奏力に、さすがだ。と思わされた。
10年前にサバールの講習会を受けた時より、彼はさすがに年をとった。
というより、目に力が無くなった?気がした。(お疲れ何だろうなぁ。)
彼の奥さま、モンセラートが亡くなったのは2011年。やっぱり寂しいんだろうなぁ。

サバール先生は、そして土曜日に本当に、家にやってきた。
夢をみているんだろうか・・・!
10時半から13時くらいまで、5人の生徒を(一人30分間ずつ)無償でレッスンしてくださった。


 私以外は、Imke先生のお弟子さん。彼は、デュマシーを演奏。
サバール先生曰く、中指のことを”魂の指”と呼ぶ。
その魂の指の重要性をお話しされた。
それは、ヴァイオリン属には無い指。最もデリケートで、繊細な動きを弦に伝えることが
できる。マレでいう、アンフレー ”e”である。

シンプソンのデュエット。オスティナートバスを、和音で弾くことを勧める。
ここでは、右手の手首をいかに楽で自由に動かすかについて話された。

右手の手首を楽にすれば、一日中だって小刻みに動かして弾いていられる。と語りながら
約2分?ほどずっと弾き続けるサバール師。
誰か止めて~!

また、ある生徒は緊張してうまく弾けない人がいて、
それを見抜いたサバール先生曰く、

”あるとき、森を歩いていたら、猛獣に出くわした。
恐れのあまりどうしようか考えていたが、
ふと、となりに木イチゴがなっているのをみて、
それを食べ続けることにした。”

一瞬意味不明だけれど、これは、演奏しているときの
私たち自身の話。

猛獣はいつも私たちの心の中にいて、
それを抑えようと必死になる。
でも、音楽という木イチゴをもっと味わいなさい。
ということ。

私自身も、とても本番は緊張する。
あるときは本番の前緊張しすぎて過呼吸になるくらい。
でも、サバールも緊張していたなんて、びっくりした。


私は、マレのラビリンスを演奏した。
サバール先生は、とても褒めてくださって、音楽的だ、とおっしゃった。
でも、もっと駒の近くで弾きなさい、と言われた。
これは、私がガンバを勉強したてのころから言われ続けていたことで、
まだ、進展していないことに、ショックだった。
私は、駒の近くで弾くことを心がけ、椅子や、足台など、
色んな方法でそれを克服しようとした。
でも、結局、駒の近くで弾くという、勇気がない。
自分自身に、いまだに、弱さを持っていることに気づかされた。

ガンバは本当に奥が深い・・・。

でも、忘れられない貴重な体験となりました。
ありがとう。